第58回(平成17年度) 秋季栃木県高等学校野球大会

初戦は今市と対戦
平成17年度秋季大会は10日(土)に開会式を行い、開幕となる。鹿沼高校は大会3日目、17日(土)の9:30から宮原球場にて今市高校と対戦する。齋藤忠監督の鹿沼東高は大会初日、11:30から鹿沼市営球場にて氏家高校と対戦する。
和久井好投 コールド発進
  
鹿沼       11
今市      

和賀井−阿部
 二塁打:倉持、阿部、山田
  
 新しいユニフォームで望んだ初戦は、相手のミスに乗じて得点を積み重ね、コールド勝ちを収めた。投手力と内野の守備力の差が出た形になったが、力の差は得点差ほど大きくなかった。
 第一の勝因は和賀井の好投である。制球もよく、無四球、2安打での完封は立派である。フォームをスリークォーターに変えてから球威も増し、安定感が出てきたようだ。次の真岡工業戦が楽しみである。
 攻撃面では相手内野のミスに助けられた。2回は一死から四死球で満塁としたあと、8番高田のスクイズ(初球失敗して、次で決めた)で先制。9番和賀井の5ゴロを3塁手がはじき、1塁に送球するも間に合わず、その間に2点目。続く1番関本の当たりは遊撃正面のゴロ。これが走路で跳ね上がり、遊撃手の頭上を越えるラッキーなタイムリーヒットとなって3点目。相手遊撃手が前に出て取っていれば生まれなかったヒットだ。宮原球場特有のアンツーカーはとにかくイレギュラーが多い。あのゴロを見て自分のまわりをマメにならしておくことの大切さを知ったことと思う。続く3回は内野安打2本で1・2塁としたあと、キャプテン阿部が3塁線を破る2塁打で加点。4回も四球に相手エラー2つで得たチャンスに4番倉持、5番阿部の連打で相手エースを降ろした。5回はパスボール、6回は6番1年生山田の左翼越え2塁打で加点してコールド勝ちを決めた。
 チャンスでタイムリーが出たことが、大量得点につながった。しかし、まだまだ物足りないところもある。一つは消極的な打撃姿勢である。0−2、0−3、1−3といったバッティングチャンスに打ちに行って欲しい。ファウルでもいいから打ちに行く(当てに行くのではない)気持ちを表して欲しい。また、選球眼も磨いて欲しい。さらに、第1リードから第2リードが小さいために、次の塁を狙えない場面があった。2死からの内野エラー(1塁に送球している)時には、2塁走者は本塁を狙うべきであろう。走者、3塁コーチともに先の塁を貪欲に狙う意識を持って欲しい。そういう走塁一つが、試合を決めることもあるのだから。次の、真工戦ではさらに積極的なプレーを見せて欲しいものである。
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打線沈黙し 完敗
  
鹿沼
真工 X

和賀井−阿部

 和賀井も懸命に投げたが、相手打線の打力が勝り、3塁打2本、2塁打3本を含む12安打を浴びた。野手のミスもあって6失点。一方、鹿高の攻撃は元気が無く、相手投手西山の前に三振と内野ゴロが続く。西山投手は、中学時代に県優勝し、全国大会出場の経験を持つ。速球と落差の大きなカーブが武器で、鹿高打線は最後まで的を絞らせてもらえなかった。
 初回、2回と先頭打者を出したものの、後続を断ち何とかしのぐ。3回、1死を取ってホッとしたのか、初回に初球を打たれたトップバッターに、また初球を痛打され1死2塁。四球、3遊間安打で満塁。ここで、相手4番にレフトフェンス直撃の2塁打を打たれ、走者一掃。3点を先行される。
 4回は1死2塁からけん制悪投で1死3塁。スクイズをウエストしてはずしたにもかかわらず、キャッチャー阿部が3塁へ高投して4点目を許す。
 5回の鹿高の攻撃は5番阿部が四球で出塁するも、けん制で刺された。続く山田も四球で出塁したが、高田は6ゴロでダブルプレー。2つの四球をもらいながら、この回の攻撃を3人で終え、流れをつかめず。
 6回表、鹿高は先頭の代打高橋が四球を選んで出塁。バントで送った1死2塁から関本、山越の連続右前安打で1点を返した。さらに、橋本死球で1死満塁とし、4番倉持、5番阿部に期待がかかったが、あえなく凡退。追加点は奪えなかった。攻めても攻めきれずにいると、流れは来ないもの。その裏、先頭の投手西山に3塁打を浴び、2死を取ったものの9番の内野安打で追加点を奪われた。
 8回には二遊間安打の走者を右中間3塁打で返され、6点目を奪われた。

 終わってみれば、鹿高は散発3安打。相手は長打を含む12安打。結果だけ見ると打力の差が出たようにも見えるが、スタンドからは「打つ力」よりも「打とうとする気持ち」が劣っていたように見えた。相手の打者は初球からでも思いきって打ってきたし、打者有利なカウントからはどんどん振ってきた。それが、内野の間にうまく転がったり、外野の頭上を越えることにつながった。それに比べて、鹿高はバットを振らなすぎる。1試合を通して、鹿高のファウルはアウトになったフライを含めて5本である。前回の試合も含めて、選球眼の悪さとバットを振ることへの消極性が気になった。この試合では9三振を喫したが、見逃しが4つ、空振りが5つ。しかし、その空振りは完全なボール球を振ったものが3つ。高めの直球や外にワンバウンドするカーブを振っていた。一方で、見逃したボールはきわどいコースではあったが、手を出せば当てられる球である。きわどい球はカットして粘ることで、相手投手へのプレッシャーをかけることもできる。
 また、ランダウンプレーは冬の間にみっちり練習してもらいたい。走者を生還させたプレーはもちろんだが、アウトにしたプレーでも5回もやりとりするのは多すぎる。
 守備ではいいプレーもあった。1回、2遊間を抜けそうな当たりを2塁手山田が逆シングルで捕球し、1塁へ送球。難しいハーフバウンドを1塁手橋本がうまくすくい上げたプレー。二人とも見事な捕球であった。5回、無死2塁から相手打者がバントの構えからバットを引いたとき、すかさずキャッチャー阿部が2塁へ送球して走者を刺したプレー。阿部の送球も見事だったが、遊撃手関本のタッチも絶妙だった。ここしかない、という位置に素早くグラブを置き、タッチアウトにしたプレーは素晴らしかった。
 これから、冬の厳しい練習になると思うが、今の自分達に足らないものは何かを話し合い、納得した上で練習を重ねて行って欲しい。来春の成長を楽しみにしている。

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