第60回秋季栃木県高等学校野球大会

平成19年9月16日(日) 県営本球場
 
鹿沼
鹿東 X
田野辺−佐山
<試合の詳細>
初回表、制球の定まらない鹿沼東竹沢から2四球を選んで2死i1・2塁。
すかさず2走山崎、1走田野辺が走って2死2・3塁としたが、後続が倒れて無得点。

2回裏、1死から6番に四球で1死1塁。
7番のカウント2−3となったところで、鹿沼東はヒットエンドラン。
右中間にはじき返され、1死1・3塁。さらに、1走盗塁で2・3塁。
続く8番は左バッター。カウント1−2から、2球ファウルで粘られた6球目。
完全にタイミングを外したにもかかわらず、体勢を崩しながら当てられ、力なく転がった打球は三遊間を抜けてタイムリーヒットとなる。
なおも、1死1・3塁のピンチは続いたが、鹿沼東は1−2からの4球目に両走者がスタートを切るヒットエンドランを敢行。
打者は空振りで3走が三本間に挟まれ、2−5タッチアウト。この間に三塁を狙った1走も、三塁手大塚が判断よくタッチして、ピンチを乗り切った。
ここは、相手のミスに助けられた。

5回表、1死から佐山がセンター前に運び、チーム初ヒット。しかし、後続が倒れて無得点。

7回表、この回先頭の5番神山が左前安打で出塁。バントで送り、佐山の4ゴロで3進するも無得点。

8回裏、鹿沼東先頭の8番へ代打。この打者が中前安打。9番が送って1死2塁。2死後、2遊間への緩いゴロが遊撃への内野安打となり、2死1・3塁。
ここで、打者は3番。カウント1−3から、1走とのヒットエンドラン。打球は遊撃に転がったが、エンドランがかかっていたため2封はできず、1塁へ送球。
これがワンバウンドとなり、打者走者を生かして、2点目を献上。ここでの失点は痛かった。

2点リードされて迎えた9回表。相手投手は2番手の福田。2死から、四球、死球で1・2塁としたが、最後の打者は1塁ファウルフライに倒れ試合終了。

これが、広田監督公式戦最後の試合となってしまった。


<戦評>
ピッチャーの田野辺は、悪いなりに要所を押さえていた。直球に球威がある。制球がよくなればさらに安定するだろう。
守備についてはさらなる練習と経験が必要だろう。打者ごとの位置取り、捕球、送球、判断、配球など、まだまだ勉強すべき点も多い。
たとえば、2回裏、1・3塁からの2盗。送球を2塁手がカットしたが、3走は全くスタートの気配はなかった。
捕手からの送球もよく、スルーすればタイミングはアウトに見えた。このプレーは、野手の判断と声の連携が必要なプレーである。
また、8回裏無死1塁からの送りバントは、強めに3塁手正面に転がった。3塁手は、確実にさばいて、2塁を見ることなく1塁に送球した。
しかし、ここは絶対に進塁させたくない場面である。思い切りダッシュして2封して欲しいところだった。
せめて、2塁を見て(走者の位置を確認して)判断してから1塁へ送る余裕が欲しい。
不慣れなポジションで、とまどった選手もいたと思うが、それは、これからの練習で克服していって欲しい。
今のポジションで経験したことを、違うポジションで生かせることがあるはずである。来春までの練習で、どれだけ自分を伸ばせるか、挑戦してみて欲しい。
特に、スローイングの練習が必要であろう。今日は、試合前のノックから暴投が多かった。
試合では、捕球のミスより送球のミスの方が傷口が大きくなることが多い。安定した送球ができれば、捕球でも余裕を持ったプレーができる。

攻撃に関しては、単打2本、四死球6ではあったが、無死からの走者は5回のみ。これでは、無得点で終わるのも仕方がない。
残念ながら、今日の試合では強い打球が少なかった。芯に当たった打球が相手野手の正面を突く不運もあったが、無得点で終わった理由は、運だけではないだろう。
ゴロ、それも相手のミスを誘うような強いゴロを転がすにはどうしたらいいか、自分で工夫し、チーム内で話をしていって欲しいと思う。
走塁に関しては、1回、2走山崎の3盗は見事であった。相手投手のクセを見抜き、簡単にスタートを切って見せた。
セットポジションからの竹沢投手のクセをどれだけの選手が見抜いていたか、聞いてみたいと思う。
3走タッチアウト 続いて3塁を狙った1走もタッチアウト この試合初の無死一塁
広田監督 最後の公式戦が終わる  お疲れさまでした