第89回全国高等学校野球選手権栃木大会   2007.7.16

平成19年7月16日(月)  廣田監督 最後の夏
 
鹿沼
作新 ×

(鹿)橋本、田野辺、湯澤−高田  本塁打:東
初回表、1死から2番篠崎が中前安打で出るも、続く3番高田は4ゴロでダブルプレー。
その裏、作新は先頭の栗林が安打で出塁。1死1・2塁から4番石黒のタイムリー2塁打で1点。ここで、打者走者が1塁走者の位置を確認せずに進塁したため、二人の走者が3塁上に。3塁手のタッチによりダブルプレーかと思われたが、3走のみアウト。帰塁前にタッチしたという判定だったようだ。ここは名門作新らしくない走塁ミスに助けられた。

2回表、4番橋本が無死から中前安打で出るも、東のバントは3塁手の好フィールディングで橋本2封。6番大橋は4ゴロで、またも4-6-3のダブルプレーを喫する。
その裏作新は、7番レフト前ヒット、8番3遊間への内野安打から、バントで送って1死2・3塁。ここで1番の栗林にレフトオーバーの2塁打を喫して2失点。
橋本はここで降板。2年田野辺がリリーフ。田野辺は、落ち着いて後続を断ち、点を与えない。

3回表、先頭打者金田が死球で出塁。大沼はバントで牽制したりエンドランを試みたりしたが、三振で走者を送れず。2死後、1番山田が右前安打で2死1・2塁としたが無得点。

4回表、3番高田はピッチャーの足元をゴロで抜く中前安打で出塁。橋本1塁ゴロで高田2封。1死2塁から、5番東は、大会1号となるライトオーバーの本塁打。右へ吹く風にも乗り、ボールはライトフェンス外の芝生で弾んだ。ここまで走者を出しても進めることができず、嫌なムードが漂っていた場面での起死回生の1発。得点ばかりでなく、選手やスタンドの雰囲気を一変させるホームランであった。このホームランで3−2となり、1点差に詰め寄った。

5回表、先頭の大沼が中前安打で出塁。続く田野辺はバントを試みるが5フライとなりまたも送れず。ここで、大沼が2盗を決め、1死2塁。2死2塁から、2番篠崎はセカンド前へのプッシュバント。内野安打かと思われたが、投手の1塁カバーの方が一瞬早くアウト。この時、2走は3塁で止まっていたが、ここは本塁を駆け抜けていなければいけない場面。
その裏作新は、遊前ボテボテの内野安打、当たりそこねの中前ポテンヒットで無死1・2塁。4番がバントで送って2・3塁としたところで、5番落合がきっちり右中間へタイムリーヒット。走者を出しても進められず、なかなか返せない鹿高に対し、作新はチャンスにタイムリーヒットで得点する。

6回表、この回先頭の高田が四球で出塁。続く橋本の投ゴロを、ピッチャーが2塁へフィルダースチョイス(Fc)。5番東はバント。これを3封を焦った投手が3塁へ悪投。右へ少しそれたため、3塁手の足が離れた。この無死満塁のチャンスに、6番大橋は初球スクイズ。これを投手が本塁にFc。1点を返す。なおも無死満塁で、金田のスクイズは空振り。相手バッテリーがはずしたというよりも、偶然アウトコースに行ってしまったように見えたが、これで3走がタッチアウトとなり、1死2・3塁。しかし、金田三振、大沼4ゴロで追加点を奪えず。ここが勝負の分かれ目だった。

鹿高は、8回1死から1年生湯澤が登板し、後続を断った。
このあと、両チームとも無得点のまま試合終了。

終わってみれば、シード作新をよく苦しめた試合であった。しかし、鹿高にも勝機は十分にあった。作新に打撃、走塁、守備のどれをとってもけっして見劣りしなかった。ヒット数は作新12に対して鹿高7。作新のヒットのうち、3本は内野安打である。四死球は作新1、鹿高4。合わせれば作新13,鹿高11で攻撃力はほぼ互角であった。
大きく違ったのは犠打。作新は犠牲バントを5つとも決めたのに対し、鹿高は見逃しを含めて1つ成功、4つ失敗。バントの成否が試合を決めたとも言える。1・2年生は、この点を肝に銘じておいて欲しい。

3年生には本当にお疲れさまと言いたい。一日でも長く、このメンバーで広田監督と一緒に試合がしたかったことと思う。試合は残念な結果となったが、君たちが毎日積み重ねた練習で身に付けたプレーは、見るものを感動させるものであった。故障を押して投げた橋本、負傷しながら本塁打を放った東、再三好守を見せた山田、キャプテンとしてチームをまとめ、1球も後ろにそらさなかった高田ら3年生の頑張りに心から拍手を送りたい。
試合前の広田監督 OBも応援 マネジャーOGも応援に来てくれました
恒例の声出し 試合前のあいさつ
先発 3年 橋本 好リリーフ 2年 田野辺 堂々としたマウンドさばき 1年 湯澤
今大会から低反発球を使用したにもかかわらず、5番東が大会1号を放つ
3年生の、そして廣田監督の夏が終わる・・・