第61回春季栃木県高等学校野球大会中部地区大会 

平成20年4月13日(日) 宮原球場
  10
茂木
鹿沼
〔投−捕〕 田野辺−佐山
〔二塁打〕 大沼、大塚

4回裏、1死から大塚、渡辺の連打、死球で満塁のチャンス。ここで8番佐山がスクイズを決めて先制。

6回表、無死から四球。2死3塁とされたところで、3番に左前タイムリーを浴びて同点。

6回裏、2死1・2塁から9番神山が中前安打。カットに入ったショートは走者を見て本塁への送球をあきらめ、3塁に送球。ここで1走がタッチアウト。相手遊撃手は本塁へ送球しても間に合わないと判断したのだろうが、これが思わぬ好判断となってしまった。このプレーで、2走の本塁突入前に1走の3塁タッチアウトが成立したため、2走のホームインは認められず、この回の鹿沼の得点はゼロとなった。

7回裏、1番からの攻撃。6回から替わった2番手投手に対し、先頭が四球で歩き、2・3番で走者を進め、2死3塁。ここで、4番大沼、5番大塚の連続二塁打で2点リード。

8回表、先頭がエラーで出塁。続く打者にもヒットを浴びて無死1・2塁。バントで送られ1死2・3塁となるも、1番打者を打ち取って2死2・3塁。ここで、2番にタイムリーヒットを浴びてまたも同点とされる。この時、2走はランナーコーチの制止を振り切って本塁突入するきわどいタイミング。ノーカットならアウトのタイミングに見えた。ここ一番でどれだけ普段の力を出せるかが勝負を決する鍵になる。

9回表、無死からヒットで出塁したランナーが3塁に残って2死3塁。ここで、7番の打球は1塁後方へのフライ。これを2塁手が追いつきながらグラブに当ててこぼし(記録は二塁打)、1点リードされる。

9回裏、先頭打者の4ゴロが2塁手手前でイレギュラーし(記録はエラー)、無死1塁。バントと四球で1・2塁となったところで、意表をつく3盗が成功し、1死1・3塁。ここで、5番大塚は落ち着いてスクイズを決めて同点とする。
さらに、この打球を投手が1塁へ高投して打者走者も生き、1死1・2塁。次打者の4ゴロで走者が進んで2死2・3塁。次打者の6ゴロを遊撃手がファンブルし、サヨナラかと思われたが、ファンブルした打球がスッポリとグラブに戻り、好送球で打者アウト。延長戦となる。

10回表、無死からヒットで出た走者バントで送られて1死2塁。続く2番の打球はショートへ。スタートを切った走者が気になったか、遊撃手は捕球できず、1死1・3塁。続く3番に対する初球がワンバウンドし、捕手も捕球できず。バックネット前に転々とする間に決勝点を与えてしまった。


<戦評>
 シード茂木相手によく戦った、というより、手中にした勝利を逃したという気持ちが強く残る試合になってしまった。 選手諸君も同じことを感じているのではないだろうか。
 シード校とはいえ、決して力負けしてはいなかったし、むしろ押し気味に試合を進めていただけに惜しい試合であった。
 この試合でよかったのはバント。ウエストされたボールには食らいついてファウルし、2ストライクからでも確実に決めることができていた。これは、練習のたまものに他ならない。夏までこの状態を保って欲しい。
 また、9回裏、1死からの3盗も見事であった。相手が無警戒なのを見抜き、3進したことで同点にすることができた。相手キャッチャーが投げるのをためらうくらいの良いスタートであった。

 勝負を決めたのは、ここ一番での集中力と、判断力ではなかったか。
 相手の8回までのヒットはわずか3本。このうち2本が2死からのタイムリーヒットである。相手の勝負強さにやられた感がある。
 また、6回の相手の遊撃手の判断。2死からのタイムリーヒットで本塁が間に合わないと見て、瞬時に3塁へ送球した判断と好送球に得点を阻まれた。ここで得点をあげるためには、2走のより早いスタートと(2死だったのだから、打ったら走るのは当然)、1走・3塁コーチャーの判断力が必要になるだろう。得点を挙げるためには、2走の走力を考え、1走は敢えて2・3塁間で挟まれるという方法も選択肢のひとつとして頭に入れておくことが必要である。ただやみくもに前の塁を狙うだけでは、チームとして勝ち上がっていけないこともあるということが勉強になったのではないだろうか。

 あとは、試合後半での投手を含めた守備の乱れ。この原因が何なのかを考え、修正していくことが今後の重要な課題であろう。